2015/04/04

熊本市食肉センターのおはなし②食肉解体作業員さんたちの仕事

熊本市食肉センター
最後の畜霊祭のあとは、

食肉解体作業のお話を
もう少し聞きたい!

と、センター近くの
ファミリーレストランへ移動
しました。



メンバーは


もちろん、
ずっと私が追いかけている
元食肉解体作業員の
坂本さん



現役バリバリの若手
(といってもキャリアは20年!)作業員洋平さん

小学校教諭で
10年以上前
「現場を知りたい」と
食肉センターに飛び込み
内蔵処理の手伝いを
1週間経験した行動派
田上先生

そして、食肉の現場を取材中の
熊本大学大学院生
みさきちゃんです。

この5人で
ご飯を食べながら約3時間(!)
色んなお話をしました。


例えば、
食肉解体作業員さんたちは

と畜の直前まで
牛や馬の体を撫でて
あやしながら声をかけ、

出来るだけ動物に
ストレスをかけないように
すること。

と畜の際に
「殺す」という言葉は
決して使わず

「解く(とく)」と言う言葉を
使うことなどです。

「解く」というのは
牛や馬などの

つらい、きつい思いを「解き放つ」
という意味で

言葉ひとつとっても
作業員さんたちの
動物への感謝が伝わってきます。


「私は豚の内蔵処理の手伝いで
自分の命と身体を取り戻したのよ」

というのは
小学校教諭の田上さん(右)

ちょうど、卵巣の病気を患い
摘出手術をしていた田上さんは

子宮や卵巣に傷のある
メス豚のことを知り
豚の子宮と卵巣を見せてもらった時、

身体を守ってくれた内蔵に
「ありがとう」という思いが
自然に湧いてきたそう。

なんか私、
その気持ち分かる気がします。

田上さんのお話を聞いていると
涙が溢れてきました。



そして、洋平さんからは
馬のと畜の際に
馬のお腹に赤ちゃんの命が
宿っていることが分かったときの
お話を聞きました。

そのときは
作業員さんが
急いで赤ちゃんを取り出し
必死に人工呼吸をして
息をふきかえさせ

子馬を何度も抱きかかえ
自力で立てるようにして
牧場に返したそうです。

食肉センターは
命をいただくだけでなく
命が生まれる場所でも
あったことを知り、また、涙。

「生きる権利のある動物には
生きる道を与えたい」

「この仕事(食肉解体作業)
をしていて
受けた差別もあります。

悩んだことも沢山。

だけど自分たちは今、
誇りをもって
仕事をしていますし、
子ども達にも伝えたいです。」

という
坂本さんや洋平さんたちの言葉が
とっても印象的でした。

沢山の思いや、ドラマがある
食肉解体の現場。

そして魅力的な人たち。

もっと知りたい!
そう思いました。